魅力のある
弁護士の時代を
第二東京弁護士会の日比谷倶楽部に所属している弁護士の小川恵司です。修習期は46期です。このページをご覧いただきありがとうございます。
私は、弁護士登録以来、現在ののぞみ総合法律事務所にずっと所属しており、アソシエイトからパートナーになりました。仕事の内容は、主に会社法務で、中でもエンターテイメントの仕事を多くやっており、その方面の顧問先も多いのですが、手持ち案件には、一般民事事件や離婚などの家事事件、刑事事件もあります。
来年は、弁護士登録して30年目を迎えます。そんな節目に今私が考えていることを少し述べさせていただきます。
令和4年司法試験の出願者数は、昨年より387人減少し、3367人でした。うち受験者数が3082人で合格者は1403人という結果です。みなさん、この結果をどう考えますか。私は、法曹の魅力がなくなったのではないかと、大きな危機感を抱いています。
法科大学院の入学希望者数は1万人程度と、横ばいから微増となっておりますから、一概に法曹の魅力がなくなったとも断言しがたいのですが、2003年には4万5000人以上が受験したことを考えると、法曹界の未来のため今やらなければならないことがたくさんあると思います。
では、何が法曹志望を躊躇させているのでしょうか。経済的条件は、一時に比べて大幅に改善されており、むしろ同世代のサラリーマンよりも待遇は良いはずです。弁護士ドラマだけでなく、多方面で活躍する弁護士は、その職業知名度は抜群です。ただ、その仕事の魅力というのは、十分に発信できているでしょうか。弁護士会は、「こんなに多いと食べていけない」と喧伝するより、弁護士の仕事の魅力こそ発信すべきと考えます。
また、次世代を担う若手弁護士も自営業独特の閉塞感があることは否定できません。専門細分化が進む中で、どの道で食べていこうか不安になる気持ちはよく分かります。弁護士の魅力を知ることにより、仕事のやりがい、働く楽しさを感じることは何より大事です。弁護士会は、その機会を作ることが期待されていると思います。新規業務の開拓、開業のサポートにより、独立自営を実現し、さらに専門性を身につけることにより、当該分野でのスペシャリストを養成することにより、自分が進むべき道に明かりを照らすことをやっていきたいと考えています。
さらに、弁護士の仕事はオールマイティです。まだまだ弁護士のサポートを必要としている業務領域はたくさん存在します。世の中の需要を探り、弁護士が活躍することにより、その領域にも法の支配を行きわたらせ、正常な発展に貢献することができます。
このように弁護士が法の支配の担い手として活動領域を拡大しようとしても、弁護士の数が足りなくては、その使命を十分に果たすことはできません。もちろん、数を増やせば全てが解決できるわけでもなく、それは、企業内弁護士や公務員として各省庁や自治体などに勤務する弁護士のさらなる増加や、従来型の訴訟だけでなく、裁判に至る前の予防的法務や企業のガバナンス、コンプライアンスの担い手としての弁護士の需要なども拡大しつつ、適正な規模を維持していくことが重要かと思います。適正な規模を確保することにより、法曹志望の増加にも繋がります。
わが二弁の状況については、会員数は6000人を超え、大規模事務所、企業内弁護士や官公庁に所属する弁護士の登録数も多く、女性の割合の多いことも含め、多様性を兼ね備えた極めて強力な単位会です。そこには、多様な弁護士の魅力があります。今この司法の危機を救うのは、二弁のありようにかかっていると思います。魁の二弁が日弁連を変え、日本の司法を変え、弁護士が誇りをもって職務に邁進し、法の支配を社会の隅々まで行きわたらせて、明るい豊かな社会を作りたいと考えています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
略歴
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昭和40年7月徳島県小松島市で出生、すぐに香川県に転居
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昭和59年3月香川県大手前高松高校卒業
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昭和63年3月中央大学法学部法律学科卒業
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平成3年10月司法試験合格
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平成4年4月司法修習生(46期)岡山修習
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平成6年4月第二東京弁護士会に弁護士登録 現のぞみ総合法律事務所に所属
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平成26年4月副会長
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平成27年4月司法修習委員会委員長
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平成29年4月広報室長
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令和3年4月日本弁護士連合会常任理事