ご挨拶
魅力のある
弁護士の時代を
令和4年の司法試験の出願者数は、昨年より387人減少し、3367人でした。うち受験者数が3082人で合格者は1403人という結果です。みなさん、この結果をどう考えますか。法曹の魅力がなくなったのではないかと、大きな危機感を抱いています。
法科大学院の入学希望者数は1万人程度と、横ばいから微増となっておりますから、一概に法曹の魅力がなくなったとも断言しがたいのですが、2003年には4万5000人以上が受験したことを考えると、法曹界の未来のため今やらなければならないことがたくさんあると思います。
私が弁護士登録してから今までを振り返ってみて、弁護士ほど素晴らしい職業はありません。困った人の人権を守る、これほどやりがいのある仕事はありません。社会に潜む様々なトラブルや抑圧を法によって解決し、法の支配の下、平和で豊かな社会を作ることに参画しているのです。会社法務の仕事も、企業のステークホルダーの正当な利益を守り、契約社会をさらに推進し、紛争を未然に解決することができる。そして、新しいビジネスモデルを法務面でサポートし、企業の発展に寄与し、平和で豊かな社会の構築に寄与できるのです。そうです、私たちは、どんな仕事をしていても、職業を通じて社会を良くし、人に誇れる素晴らしい仕事をしているのです。
では、何が法曹志望を躊躇させているのでしょうか。経済的条件は、一時に比べて大幅に改善されており、むしろ同世代のサラリーマンよりも待遇は良いはずです。弁護士ドラマだけでなく、多方面で活躍する弁護士は、その職業知名度は抜群です。ただ、その仕事の魅力というのは、十分に発信できているでしょうか。弁護士会は、「こんなに多いと食べていけない」と喧伝するより、弁護士の仕事の魅力こそ発信すべきと考えます。
また、次世代を担う若手弁護士も自営業独特の閉塞感があることは否定できません。専門細分化が進む中で、どの道で食べていこうか不安になる気持ちはよく分かります。弁護士の魅力を知ることにより、仕事のやりがい、働く楽しさを感じることは何より大事です。弁護士会は、その機会を作ることが期待されていると思います。新規業務の開拓、開業のサポートにより、独立自営を実現し、さらに専門性を身につけることにより、当該分野でのスペシャリストを養成することにより、自分が進むべき道に明かりを照らすことをやっていきたいと考えています。
さらに、弁護士の資格はオールマイティです。まだまだ弁護士のサポートを必要としている業務領域はたくさん存在します。世の中の需要を探り、弁護士が活躍することにより、その領域にも法の支配を行きわたらせ、正常な発展に貢献することができます。
このように弁護士が法の支配の担い手として活動領域を拡大しようとしても、弁護士の数が足りなくては、その使命を十分に果たすことはできません。もちろん、数を増やせば全てが解決できるわけでもなく、それは、企業内弁護士や公務員として各省庁や自治体などに勤務する弁護士のさらなる増加や、従来型の訴訟だけでなく、裁判に至る前の予防的法務や企業のガバナンス、コンプライアンスの担い手としての弁護士の需要なども拡大しつつ、適正な規模を維持していくことが重要かと思います。適正な規模を確保することにより、法曹志望の増加にも繋がります。
わが二弁の状況については、会員数は6400人を超え、大規模事務所、企業内弁護士や官公庁に所属する弁護士の登録数も多く、女性の割合の多いことも含め、多様性を兼ね備えた極めて強力な単位会です。そこには、多様な弁護士の魅力があります。今この司法の危機を救うのは、二弁のありようにかかっていると思います。“魁の二弁”が日弁連を変え、日本の司法を変え、弁護士が誇りをもって職務に邁進し、法の支配を社会の隅々まで行きわたらせて、明るい豊かな社会を作りたい、そんな思いで、私は、二弁の会長として、立候補した次第です。
出版メディア
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現代人文者
こんなときどうする刑事弁護の知恵袋
著作者:瀨野 泰崇 編著・伊藤 寛泰 編著
「刑事弁護を行う上で時間をとられがちな疑問や事務負担といった『かゆいところ』を幅広く扱った本。刑事弁護の「あれってどうだっけ?」に答える。刑事弁護ビギナーズとセットで読むと効果的」
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商事法務
消費者庁・消費者委員会創設にこめた想い
著作者:原 早苗 編著・木村 茂樹 編著
2009年の消費者庁・消費者委員会創設の理念、経緯、内容等について記録し後に残す事を目的とした本です。当時財務省から内閣官房に出向して創設に関わった私も共著者の一人として、消費者庁設置関連法案の内容等について解説しています。
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